もはや繊細さんのバイブル
「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本
とにかく分かりみが深い。
- 「冗談交じりのささいな一言なのに、受け流せずにグサッときてしまう」
- 「職場で機嫌が悪い人がいると、気になって仕事が手につかなくなる」
- 「相手の気持ちを考えすぎて、自分の意見が言えない」
これらはいずれも本のはじめにの部分で書かれていた一例です。
自分の心の声がもれたのかと思いました。
目次
おかしいのは自分だけだと思ってた
自分だけがおかしいのだとずっと思ってました。
ほかの人が気にしないようなことが気になったり。
周りが息を吸って吐くような自然さでやれていることが、自分にはできなかったり。
同じ職場で働いているのに、自分だけがしんどい思いをしているような気がいつもしていました。
今にして思えば、職場環境が私に合っていなかったんだと思います。
ただ、当時はそうは思えませんでした。
周りがやれていることができない自分はダメ
周りの人がやれているのに、自分はそれをやるのにとても苦労してしまう。
- 自分の努力が足りていない
- 自分が弱いだけ
- 自分がダメなんだ
とずっと思っていました。
私はマルチタスクの仕事が苦手でした。
あれもやってこれもやってとしていると、すごく疲れる。
電話も苦手でした。
特にクレーム系の電話はすごく苦手(好きという人もいないと思いますがw
うまく対処できなくて、上司に助けを求めるも「電話応対ぐらいちゃんとやれ」と怒られる始末w
どうやら周りの人は私よりもうまくやれている(少なくともそう見える
自分がダメなんだと思って、さらに自信を失っていく負のスパイラルに入っていました。
HSP(繊細さん)という種類の人間だっただけ
人一倍感じる力が強く刺激を受けやすい人たちはHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)という、そういう神経システムを持った人なのだと説明されています。
作者の方自身がHSPで、この方はHSPのことを「繊細さん」と呼んでいます。
自分はそういう種類の人間だっただけなんだ、と安心しました。
レッテルをはられることで安心することもある
世間一般的には、「あの人は●●」といったレッテルを張るのはよくないといわれます。
レッテルを張ることにはネガティブなイメージがあります。
けれども、ポジティブな部分もあると思います。
少なくとも私は、自分の中の違和感や「何か自分は人と違うらしい」という部分が自分だけの特別なものではなく「HSP」「繊細さん」という種類というだけなのだととても安心しました。
自分の中にある、漠然とした
- どうしてか自分は人よりもうまくできない
- なんだか生きるのがつらい
といった疑問や不安感に「HSP」「繊細さん」という名前が付くと、それはとても安心するものでした。
本の中では論文や本の話も交えながら、HSP、繊細さんの特徴が語られています。
自分の抱える生きづらさの正体がちゃんとした形で明確になることで、かなり安心することができました。
自分の決断が間違いでなかったと思える
この本の中には、最後の方に「全力で逃げるべきときがある」という話があります。
正直、この数ページを読むだけでも私にはこの本を買う価値がありました。
頑張りすぎておかしくなってしまったブラック時代
7時前には出勤、帰宅は深夜。
休日出勤、呼び出しは当たりまえ。
とにかくハードでブラックなところに勤めていたことがあります。
最終的に心身とも自分がおかしくなってしまったことに気づき、退職します。
この時の詳しい話は、こちらをどうぞ。
退職する時点では、かなりどうかなってましたww
- 朝仕事に行こうと玄関まで行くも、突然涙が止まらなくなる
- 見通しの悪い交差点で「命に支障はないけど仕事には支障のある事故に遭いたい」と思いながら左右確認せずに交差点に突っ込む
冗談抜きにこのまま頑張り続けてたら本当に死んでたと思います。
退職したことを理解されなかった
けれども私の退職は家族の大反対にあいました。
当時私は公務員だったのです。
世間の同世代よりもずっといい給料をもらっていました。
安定しているので、そのまま勤め続ければ給料も上がっていく。
ちなみに、誤解のないように言っておきたいのですが、給料がいいとはいっても残業がヤバいので、労働時間で考えたら最低賃金割ってますw
いずれにせよ、公務員という立場を手放そうとした私の判断は家族の理解を得られませんでした。
けれども、私の人生を決めるのは私。
当時まだ、自己決定するだけの余力は残っていたので、身近な家族という存在に大反対されながらも、自分の意志で退職を決断することができました。
自分自身の決断に後悔はありません。
ただ、周りに理解されなかった、支えてもらえなかったという痛みは残りました。
過去の痛みも吹き飛ばす本の力
「この仕事/職場にい続けたらまずい」
そう思ったら、同僚にどれだけ迷惑をかけようと、仕事の責任が残っていようとすべて放り出して全力で逃げてください。
人生には逃げるべきときがあります。
仕事よりも他人よりも、自分の心身を最優先にしてください。
本の中のこのフレーズは、私の過去の退職という決断を肯定してくれるものでした。
ここだけでもこの本買ってよかったと思いました。
いやだって、共感は欲しいじゃないですかw
「お前は間違ってない」って言われたいじゃないですか!w
特に身近な家族からも理解されなかった私は共感や理解に飢えてましたよ←
「繊細さん」の本は私がこれまで内向的な性格、HSP、繊細さんとして生きてきて得ることのできなかった理解や共感をくれるものでした。
理解してくれるのは本だっていい
過去、家族に公務員退職を反対されて以来「あ、もうこの人たちに自分の人生の大事な相談するのはやめよう」と思い至った私。
最近思うんですけど、共感や理解をそもそも人や他人に求めるのが失敗のもとだったのではないかと。
他人がどういう反応するかは自分の力ではどうもできません。
特にHSP、繊細さんだと人の反応に敏感だったり傷つきやすかったりすると思います。
人に理解されないことのダメージやリスクを負うくらいなら、もう人に頼らず本に頼った方がよいのでは?
少なくとも私は自分の家族よりも「繊細さん」の本の方がよっぽど理解してくれました。
本だったら「違ったな」って思ったら読むのやめちゃえばいいだけですし。
具体的な対処法が繊細さんを救う
この本ではHSP、繊細さんが生きやすくなるための具体的な対処法が書かれています。
- 絶対に今日やらなければいけない仕事1つを選んでやる。
- 致命傷でなければ、対応せずに放っておく。
- 電話をとるのは3回に1回と決める。
具体的な行動面での対処法がいくつも書いてあり、「自分でもなんとかなるかも」という気にさせてくれます。
答えが出ない問題への対処法もアリ!
また、これ!という答えのない問題もあります。
例えば「自分に合った仕事を選ぶ」という問題。
何が自分に合っているかは人によって違います。
そのため、これ!という答えがありません。
ただ、自分に合った仕事の選び方はこの本の中で書かれています。
仕事があっていないと感じる人はぜひ「繊細さん」の本の中で適職について考えてみてください。
まとめ:本はあなたの力になってくれる
本の作者武田友紀さんはご自身もHSPです。
HSP、繊細さんへの分かりみが深いです。
HSPの人に心無い一言を浴びせてくる心配がありません。
どういうリアクションを返してくるか分からない他人に話をするよりよっぽど安心です。
困った時には人に話すだけでも楽になるとは言いますが、それは相手によります。
人に話して逆にむしろ傷ついてしまうこともあります。
HSP、繊細さんならそういう傷を抱えている人も少なくないと思います。
自分の中にどこか傷つきやすさ、敏感さを感じる人にはぜひこの1冊おすすめです。